クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「知り合いと言うかライバルだ!」

「お兄ちゃんどういう事?」

「俺が三年の時こいつが一年で、花園でベスト4をかけた戦いで対戦したんだ。一年のくせしてレギュラーで出てやがったくそ生意気な奴だよ」

「ええっ⁉️お兄ちゃんラグビーしてたの?」

「はぁ?お前知らなかったのか?」

「全く。お兄ちゃんに興味ないもん」

「「「プッ」」」

 葉月以外の3人は思わず笑ってしまう。

「桃華ヒドイ……」落ち込む兄。

「で?で?どうなったの?」母が興味津々だ。

「俺たちが最後の戦いでベスト8で涙を流したのを、母さんも覚えてないのかよ。最後、こいつのトライで逆転されて負けたんだ」

「あら。葉月は何年経っても樹くんに勝てないのね」

「煩い。母さんはどっちの味方だよ」

「そんなの決まってるでしょ。樹くんよ!男前で御曹司。もう言うことないじゃない」

「「…」」

 兄と父は、母の言葉に黙ってしまう。

 しかも気づけば母は、樹くんと呼んでいる。


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