クールな副社長の秘密～偶然知ったら溺愛されて妻になりました～

　居酒屋に着くと個室に案内された。

　広めの個室には、既に営業部の若手が１０人ほど来ていた。普段から三人にお近づきになりたいと思っていたメンバーだ。この日を逃すまいと予定を変更した者までいる。

「「「こんばんは」」」

　三人が入ると大盛り上がり。不慣れな桃華は、男性達の勢いに引き気味だ。

「さあさあ、座って」

　空けられている席はみんなバラバラ。下心見え見えな男性陣に呆れる絵理香。この後のことを思うといい気味だが……。

　美奈は桃華よりは男性に免疫があり、彼氏がいた事もある。上手く交わしていく。

　全く免疫のない桃華は、質問責めにタジタジ。そんな桃華が可愛いと見惚れる男達。

　開始から三十分ほど経った頃、そろそろ限界だろうと絵理香が藤堂にメールを入れた。

　返信がすぐに来た。向こうもヤキモキしながら待っていたのだろう返事は五分で着くだ。

「あとふたり。もうそろそろ来ます」

　絵理香が言うと盛り上がる営業部の男性陣だった。