クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 そこへ『コンコン』と入口の扉がノックされた。

「はいはい。待ってました!」

 勢いよく扉を開けた途端、固まる室内。今までの喧騒が嘘のように静まる。

「え?え?ふ、副社長⁉️」

「な、なんで……」「どういう事だ……」

 男性陣はオロオロするばかり。

 そこへ無自覚天然の桃華が言い放つ。

「樹さん、先に帰ったんじゃないんですか?室長まで……」

 純粋に疑問を口にしたのだが……。

「「「…」」」男性陣は全員固まった。

「室長お疲れ様です。親睦会にお越しいただきありがとうございます」

「ああ。お誘いありがとう。親睦会の時期とは少しずれるが楽しんでるか?」

「はい」

 藤堂と絵理香が話している横で、桃華の横で桃華にくっつくように座っている男を睨む樹。

 美奈はこの状況と、以前の玲香の桃華への嫌がらせを思い出し理解した。そして、副社長の視線に気づき思わず笑ってしまう。

「ププッ」

 この緊迫した状況の中、吹き出す美奈に絵理香が声を掛ける。

「あら。美奈ちゃん、もうわかっちゃった?」

「はい(笑)」

 美奈の笑いに固まっていた営業部の男性陣が声を上げる。

「これは一体…」

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