クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 閉められた扉の前で固まっていると、樹が桃華の前に立つ。

 桃華は何を言われるのか緊張の面持ちで、前に立つ樹を見上げた。

 150㎝ちょっとの小柄な桃華と180㎝を超える長身の樹。実に30㎝の身長差は、桃華にとってかなりの威圧感だ。

 張り詰めた空気に緊張感が増す。

「相川さん」

「はい」ゴクッと息をのむ桃華。

「いや、桃華」

「エッ?」突然の呼び捨てに戸惑う。

「俺は、君が好きだ。昨日で確信した。結婚してくれ」

「……。はぁ??」

 何を言われたか一瞬理解できず、言葉の意味を理解した途端素っ頓狂な声が出てしまった。

「そのままの意味だ。以前から、君を社内で見掛けて気にはなっていたんだ。けど、それだけだった。そして昨日、俺の秘密を君に知られた。それが何故か凄く嬉しくて、昨日君が帰ってからずっと君の顔が頭から離れない。だから、朝一番に呼び出したんだ。間違いなく君にいや桃華に惚れている」

 突然のストレートな告白に、桃華は頬が真っ赤に染まる。


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