クールな副社長の秘密～偶然知ったら溺愛されて妻になりました～
　食べることに夢中になっていた桃華は、副社長の存在を思いだし視線を向けた。

　そこには、社内で噂のクールな副社長ではなく、料理に手をつけずニコニコしなが桃華を見ている副社長の姿。

　今まで、副社長を遠い存在だと思っていて意識したこともなければ、ましてや自分が関わることなどないと思っていた。

　その副社長が目の前で微笑んでいるのだ。

　男性経験もなければ、縁もなかった桃華は状況すら理解できない。戸惑いばかりが増す。

　クールな副社長の笑顔は半端なく桃華を惑わす。

　一気に羞恥心が込み上げる。

　ただ、気になっていたパンを買いに行っただけのはずが、一夜明ければ信じられない状況になっているのだ。

　見つめられ、いたたまれなくなり思わず声を掛けた。

「あの～」

「ん？」優しい返事。


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