クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「ふ、副社長、食べないんですか?」

「ああ。食べるよ。だが、桃華を見ていたい」

 クールな副社長の甘々な態度にもはや対処の仕方がわからない。

「……」

 桃華は諦め、出来るだけ樹を見ないように黙々と食事する。

 他の料理が運ばれて来ても、桃華は黙々と食事をし、樹は食事をしながらもニコニコと桃華を見つめる。

 桃華は、早く食事の時間が終わることを願いながらも、あまりの食事の美味しさに表情が緩んでしまうのだ。

 そんな桃華を見つめる樹の表情も更に緩む。

 会話がない不思議な空間だが、緩い空気が包む。

 それは、デザートが出されるまで続いた……。


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