クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 いよいよデザートが運ばれてきた。

 しかも、ワゴンに沢山の種類が乗っている。

 そして、何より桃華を誘惑する言葉がウェイターから告げられた。

「お好きな物をお好きなだけお選び下さい」

「えっ!いいんですか?」桃華は副社長の存在を忘れ大興奮。

「どれにしよう…選べない~全部食べたい~」ブツブツひとり事を呟く。

 そこへ『クスクス』と存在を忘れていた副社長の笑い声が……。

 途端に恥ずかしくなり桃華は黙りこんで頬を真っ赤にする。

「すみません。小さく全種類を乗せてもらえますか?」樹が頼んでくれた。

 この瞬間、今日一日の出来事がなかったかのように、桃華の中では純粋に副社長が神様に思えた。

「かしこまりました。お客様はいかがなさいますか?」

「僕は、コーヒーだけで結構です」

「えっ?副社長食べないんですか?」スイーツ好きの桃華には信じられない。

「ああ。もし桃華が残したらいただくよ」

「全部食べるつもりですが……」

「……。ブッ。アハハハハッ」

 桃華の返事にクールな副社長はついに爆笑したのだった。





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