クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 桃華の前には、色とりどりのケーキやフルーツが乗せられたプレートと紅茶が置かれ、樹の前にはコーヒーが置かれた。

「さあ、召し上がれ」

「はい!いただきます」

 副社長への警戒心もデザートで一気に吹き飛んだ。

「食べながらでいいから、話をしよう」

「は、はあ」

 デザートを前に本題をスッカリ忘れていた桃華だが、副社長の一言で思い出す。

「まずは、桃華からの質問に答えよう」

「では、あの~」

「ん?」

「お店のオーナーは副社長なんですか?」

「ああ」

 桃華からは、邪な気持ちは伝わらないが、今まで御曹司ゆえの女性の嫌な部分は見てきた樹は、何を聞かれるか構える。

 返事を聞き『ガタガタ』と音を鳴らし突然立ち上がる桃華。

 その様子に『ポカン』と桃華を見上げる。

「お願いがあります!ぜひ、お店の紹介とパンの写真をブログに載せさせて下さい!」ガバッと頭を下げる。

「……」

 樹は予想外の事に驚き過ぎて言葉が出ない。


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