クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「そうだな。そこからだな。うちは、今では菓子メーカーだが、昔は菓子とパンを製造していたんだ。三木谷は母の実家で、祖母から母へと継がれたレシピも沢山あったんだ。子供の頃から、朝食に母が作る焼き立てパンが並び、本当に美味しかった。それが当たり前だったんだ」
「羨ましい。なんて贅沢なんだろう……」
「だよな。それに気づいたのが、母が亡くなった後だ」
「お母様お亡くなりになったんですか?」
「ああ。俺が高校の頃、家で倒れて病院に運ばれた時には遅かった」
「そんな急に?」
「ああ。残された父と俺と弟は、母が当たり前にしていてくれた事が、どれだけ普通以上だったのか気づいた。母の遺品の中に、パンのレシピがあったんだ。父に頼んでそれを受け継いだ。大学も決まっていたし、その後、海外へ行くことも決まっていたから、父にお願いしていた。母のパンの味が出せるようになり、会社でも実績を積んで日本に帰ってきたら、仕事に支障が出ない範囲でベーカリーショップを開きたいと」
「お父様はなんて?」
「羨ましい。なんて贅沢なんだろう……」
「だよな。それに気づいたのが、母が亡くなった後だ」
「お母様お亡くなりになったんですか?」
「ああ。俺が高校の頃、家で倒れて病院に運ばれた時には遅かった」
「そんな急に?」
「ああ。残された父と俺と弟は、母が当たり前にしていてくれた事が、どれだけ普通以上だったのか気づいた。母の遺品の中に、パンのレシピがあったんだ。父に頼んでそれを受け継いだ。大学も決まっていたし、その後、海外へ行くことも決まっていたから、父にお願いしていた。母のパンの味が出せるようになり、会社でも実績を積んで日本に帰ってきたら、仕事に支障が出ない範囲でベーカリーショップを開きたいと」
「お父様はなんて?」