クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 早くから並んでいたお客様の接客を開始し、数組目に洋子さんご夫婦が入ってきた。

「いらっしゃいませ」

「あら?モモちゃんじゃない!どうしたの?」

「あっこんにちは。先週は楽しい時間をありがとうございました」

「こちらこそ、楽しい時間だったわ。それよりどうしてここに?」

「それが…洋子さんと別れた後、怒涛の展開が待っていまして」

「そうなの?今度ゆっくり聞かせてもらえるかしら?」

「もちろんです」

「連絡待ってるわね。主人とも先週モモちゃんと別れてから、うちの息子の嫁に来てくれないかしら?って話してたの」

 裏で話が聞こえた樹が慌てて出てきた。

「いらっしゃいませ」

「あら樹くん。こんにちは」

「原田さん、いつもありがとうございます」

「毎週楽しみにしてるのよ。それより、モモちゃんが店員さんでビックリしたわよ」

「うちの社員なんです」

「モモちゃん、ミキタニで働いてるの?」

「そうなんです」

「それでお手伝いを?」

「僕が今、口説いているんです。結婚してほしいと」

「ええっ!樹くん、全く女性の影がないから明くんが心配してたのよ?お見合いでもさせようかって……」

 原田夫婦は、樹の父親である三木谷明社長と仲が良く普段から親交がある。

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