クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「どうして……」

 思わず桃華の口から漏れる言葉……。

「特に理由はありません」

「理由なくお客様からの伝言を剥がしたりするんですか?」

「……」

「秘書課の三笠さんとの関係は?」

 一か八か藤堂がズバリ聞く。

「……」

「黙ってても、社内全体の防犯カメラやメールを調べますよ」

「……。先輩です」覚悟した表情で答える。

「何の先輩?」

「高校の時の部活の先輩で未だに逆らうことが出来ません……」小さい声で告げる。

「美奈ちゃん、もしかしてずっと課の人達と交流しなかったのって」

「はい。就職して少しして、三笠先輩が同じ会社にいるって知ったんです。知った時は愕然としました。それからはとにかく目立たないように、三笠先輩に見つからないようにと過ごして来ました」

「それがどうして?」

「相川さんの周辺を調べていたようで、その過程で私にたどり着いたみたいです。先週、突然連絡が来て脅されました」

「そんな…」

 桃華は自分が美奈を巻き込んでしまったことを知る。

「室長…」

 部長も真面目な美奈が巻き込まれたことにやるせなさを感じる。


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