クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「桜井さん」

「はい」

「今回貴方がしたことが、社会人として決して許されることではないと自覚はありますか?」

「はい……」反省している事は、みんなに充分伝わってくる。

「本来なら処分が下される。軽くても異動、実害が出ていたら解雇になってもおかしくない」

「……はい」

「今回は甘いかもしれないが、貴方が真面目に働いてくれていた実績と、実害がまだ出ていなかったこと、あとは秘書課の問題に巻き込んでしまったことを踏まえ、処分は始末書の提出にしたいと思います」

「ありがとうございます」「良かった~」「藤堂くん……」それぞれがホッとする。

「ただ……」

 藤堂に目を向け、続きの言葉を待つ3人。

「三笠と田辺には処分を下す。そのために、桜井さんには協力をしてもらいたい」

「…」沈痛な面持ちの美奈。

「何か、三笠とあるのか?」

「実は……」

 美奈の実家は、酒類の卸売りの会社を営んでいる。三笠は大口の取引先になるのだ。今までも事ある毎に脅されてきた。

「最低……」桃華は思わず呟く。

「本当に。どれ程根性が腐っているんだか……」藤堂からも本音が漏れる。

「桜井さんの実家の事も含め解決しますので、協力して下さい」

「ありがとうございます」

 美奈は藤堂の言葉で涙を流す。

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