クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 藤堂はそれぞれに指示を出す。

「桜井さん」

「はい」

「次から、三笠から連絡があったら都度録音して下さい」

「はい」

「内容を簡単にメモをして、部長に書類を渡すタイミングでメモを渡して下さい」

「はい」

「あとは、お客様にご迷惑の掛かる指示以外は従って下さい。そういえば、今までの相川さんの無くなった物は?」

「いつかお返し出来たらと置いています」

「美奈ちゃん……」

 やりたくてやっていたのではない事が伝わる。

「部長は、桜井さんからのメモの内容を私にメールして下さい」

 部長以上の役職者の社内メールは一般社員よりもセキュリティーが安心だ。

「ああ。わかった」

「相川さん、取りあえずは何も知らない振りをしていつも通り過ごして下さい」

「わかりました」

「では、今日の所は一旦ここまでにしましょう。相川さんに少しお聞きしたい事があるので残ってもらえますか」

「…」

 部長と美奈は会議室を後にした。桃華は、藤堂の意図がわからず警戒する。

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