クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「三木谷社長、玲香の上司として藤堂くんは相応しくないんじゃないか?」親バカにも程がある。

「いや。私の所にも苦情が来てる」

「しかも、娘さんは裏で色々と動いておられる」藤堂が真実を告げる。

「はあ?言い掛かりもいい加減にしてくれ。玲香が可哀想だ」

「「「…」」」

 話の通じない相手になす術がない……。

「あの~」玲香が口を開く。

「なんだ?」

「副社長の相手って?」

 この雰囲気でこの質問のできる玲香はある意味大物だ。

「君に教える必要はない」

「だって、納得できません。最近ですよね?ずっとお相手はいなかったはず。もしかして……」

「玲香は心当たりがあるのか?」

「パパ、多分一般社員の勘違い女よ」

 勘違い女はお前だと、三笠親子以外は思っている。

「何度言われても応える事は出来ませんので」

 話は平行線のままだ。

 そこへ『コンコン』とノックの音。

「はい」と藤堂が応対する。

「社長お客様です」

 絵理香が誰かを連れてやって来た。

「ここの社は、来客中に他のお客を連れて入ってくるのか?」

 三笠社長の非難の声を聞き絵理香が答える。

「三木谷がお呼びしたお客様で、三笠社長とも面識があるとお聞きしております」

 樹と藤堂は思い当たる節がなく首を傾げる。


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