平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
「お願いとは?」
片方の眉を上げて尋ねられ、私はそばに立っている運転手と真面目そうな年上の男性へと視線を泳がせプルプルと首を横に振る。
「ここでは……」
「なんだ。もったいぶるんだな。周りには秘密なんだな?」
円城寺さんは官能的な口角を緩ませる。
「もったいぶっているわけでは……」
私にとって人生最大の大事な話を誰にも聞かれたくない。
「これからホテルで会食があるんだが、とりあえず乗って。少し時間を取るよ」
すかさず車のそばに立っていた運転手が後部座席のドアをうやうやしく開ける。
「どうぞ。乗って」
とりあえず話を聞いてもらえることになって愁眉を開く。
ここでどこまで行くのか聞いて彼の気が変わっても困る。私は黙って高級な革の匂いがする後部座席に乗り込んだ。
円城寺さんは車の後ろを回って反対側からドアから乗車し、すぐに長い足を組んだ。
今日も洗練されたスーツ姿だ。暗めのグレーで、スラックスから覗く黒の革靴は顔が写るくらいピカピカに磨かれている。
「日比谷のホテルだ。すぐに着く。石原、いつもの部屋を頼む」
いつもの部屋をと彼の口から出て、私はビクッと肩を跳ねらせた。
それって、レストランの個室ってこと……?
片方の眉を上げて尋ねられ、私はそばに立っている運転手と真面目そうな年上の男性へと視線を泳がせプルプルと首を横に振る。
「ここでは……」
「なんだ。もったいぶるんだな。周りには秘密なんだな?」
円城寺さんは官能的な口角を緩ませる。
「もったいぶっているわけでは……」
私にとって人生最大の大事な話を誰にも聞かれたくない。
「これからホテルで会食があるんだが、とりあえず乗って。少し時間を取るよ」
すかさず車のそばに立っていた運転手が後部座席のドアをうやうやしく開ける。
「どうぞ。乗って」
とりあえず話を聞いてもらえることになって愁眉を開く。
ここでどこまで行くのか聞いて彼の気が変わっても困る。私は黙って高級な革の匂いがする後部座席に乗り込んだ。
円城寺さんは車の後ろを回って反対側からドアから乗車し、すぐに長い足を組んだ。
今日も洗練されたスーツ姿だ。暗めのグレーで、スラックスから覗く黒の革靴は顔が写るくらいピカピカに磨かれている。
「日比谷のホテルだ。すぐに着く。石原、いつもの部屋を頼む」
いつもの部屋をと彼の口から出て、私はビクッと肩を跳ねらせた。
それって、レストランの個室ってこと……?