平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
翌日は約束通り妹と渋谷でランチをして、昨日の女性ファッション誌に載っていたマスカルポーネチーズとコーヒーが絶妙なバランスで美味しいと有名なティラミスを出す喫茶店へ行った。
さすが雑誌に載っていることもあって、店頭には十人ほどの列。
「くーちゃん、どうする?」
「うーん。待ってでも食べてみたいな。美味しかったら友達に教えられるし」
さすが高校生。若いな。
私は照りつける日差しに辟易していて、どこか冷房の効いた喫茶店へ入って涼みたい気持ちだ。
それでも妹が食べたいというのならと、暑さを我慢して並ぶこと五十分。ようやくお店の中へ入ることができて、四人掛けのテーブルに着くと脱力した。
「お姉ちゃん、五歳しか違わないのに体力なさすぎじゃない?」
頭のてっぺんでポニーテールにしている長い黒髪を顔の前に持ってきて梳きながら呆れている。
ヘアーカラーが校則では禁止なので、卒業したら私のような髪の色になりたいと常々言っている。
家族の中で私だけが髪も目も色素が薄いので、橋の下で拾ってきた子だと冗談で父に言われていた。
「五歳しか違わないんじゃなくて、五歳もよ」
「ま、まあ、お姉ちゃんは童顔だから、私と歩いていると友達に見られるから安心して」
「なにが安心なんだか」
懸命に擁護する久美子におかしくなってクスッと笑う。
ティラミスは評判通り、また並んでも食べたいと思うほど美味しかった。
その日の夕食も父は留守で安堵した。今日は第二秘書の兄を連れて、神楽坂の料亭で会食だという。早苗さんも入れた女四人の夕食だ。
話をしていたのは話題に事欠かない久美子で、今日一緒に出かけた渋谷の話をしていた。
さすが雑誌に載っていることもあって、店頭には十人ほどの列。
「くーちゃん、どうする?」
「うーん。待ってでも食べてみたいな。美味しかったら友達に教えられるし」
さすが高校生。若いな。
私は照りつける日差しに辟易していて、どこか冷房の効いた喫茶店へ入って涼みたい気持ちだ。
それでも妹が食べたいというのならと、暑さを我慢して並ぶこと五十分。ようやくお店の中へ入ることができて、四人掛けのテーブルに着くと脱力した。
「お姉ちゃん、五歳しか違わないのに体力なさすぎじゃない?」
頭のてっぺんでポニーテールにしている長い黒髪を顔の前に持ってきて梳きながら呆れている。
ヘアーカラーが校則では禁止なので、卒業したら私のような髪の色になりたいと常々言っている。
家族の中で私だけが髪も目も色素が薄いので、橋の下で拾ってきた子だと冗談で父に言われていた。
「五歳しか違わないんじゃなくて、五歳もよ」
「ま、まあ、お姉ちゃんは童顔だから、私と歩いていると友達に見られるから安心して」
「なにが安心なんだか」
懸命に擁護する久美子におかしくなってクスッと笑う。
ティラミスは評判通り、また並んでも食べたいと思うほど美味しかった。
その日の夕食も父は留守で安堵した。今日は第二秘書の兄を連れて、神楽坂の料亭で会食だという。早苗さんも入れた女四人の夕食だ。
話をしていたのは話題に事欠かない久美子で、今日一緒に出かけた渋谷の話をしていた。