平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
翌朝、改札を通り過ぎ会社へと歩を進めていると、肩をポンと叩かれ立ち止まる。
「大山さん、おはよう」
法人営業課の佐山さんだった。若手のホープで、三十歳と若いが数年以内には課長になるのではないかと噂されている。
お客さまにもいい印象を与える爽やかなマスクの持ち主だ。
「おはようございます」
挨拶する私をしげしげと見る佐山さんだ。
「今夜は出掛けるのかな?」
「あ、はい。そうなんです」
「やっぱりそうなんだ。デートか。君の彼氏がうらやましいな」
佐山さんは肩を落として、小さく微笑みを浮かべる。
「えっ? デートじゃありません。宮地さんとパーティーへ行くんです」
そう言って腕時計で時間を確かめて歩き出す。
「なんだ。よかった。今度僕とデートしてくれないかな?」
佐山さんの言葉に驚いて、再び脚を止めて顔を見る。
「意外だった? そんなに驚かないでくれよ」
「もちろん。意外です」
「その反応はOKっていう意味だとうれしいんだけど?」
照れくさそうな表情を浮かべる佐山さんに、私は紺のネクタイあたりに目を泳がせる。
「そ、それは……」
「大山さん、おはよう」
法人営業課の佐山さんだった。若手のホープで、三十歳と若いが数年以内には課長になるのではないかと噂されている。
お客さまにもいい印象を与える爽やかなマスクの持ち主だ。
「おはようございます」
挨拶する私をしげしげと見る佐山さんだ。
「今夜は出掛けるのかな?」
「あ、はい。そうなんです」
「やっぱりそうなんだ。デートか。君の彼氏がうらやましいな」
佐山さんは肩を落として、小さく微笑みを浮かべる。
「えっ? デートじゃありません。宮地さんとパーティーへ行くんです」
そう言って腕時計で時間を確かめて歩き出す。
「なんだ。よかった。今度僕とデートしてくれないかな?」
佐山さんの言葉に驚いて、再び脚を止めて顔を見る。
「意外だった? そんなに驚かないでくれよ」
「もちろん。意外です」
「その反応はOKっていう意味だとうれしいんだけど?」
照れくさそうな表情を浮かべる佐山さんに、私は紺のネクタイあたりに目を泳がせる。
「そ、それは……」