平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
この誘いは愛想笑いで濁せばいいのか……。
この場で即座に断るのもと、困ってしまったが、ジッと見つめられて一度下唇を噛んで気持ちをしっかりさせてから口を開く。
「……せっかくのお誘いですが、好きな人がいるので」
ごめんなさいと、頭を下げる。ハーフアップの髪がふわりと頬にかかる。
「……はぁ。ついせっかちに誘ってしまった。朝から玉砕かぁ。仕方ない」
「すみません……」
頭に手をやり明るく笑う佐倉さんに、ホッと安堵する。
「じゃあ行こうか。遅くなるね」
「はい」
会社まではここから四分ほどのところだが、その時間はとても長く感じられ早く着かないかと、佐山さんの隣で考えていた。
社屋の通用口で佐倉さんと別れて、更衣室へ向かう。ドアを開けて中へ入り「はぁーっ」と息をつく。
「あ、おはようございます!」
着替えている同僚や先輩に挨拶をしてから自分のロッカー前へ向かう。
びっくりした。
軽くデートに誘ってくれただけなのに、私は真面目に答えすぎちゃったかな……。
ロッカーを開けてパーティーのために着ていたクリーム色のオーガンジー素材のAラインワンピースを脱ぎ、ブラウスとスカートを身につけてからベストを羽織る。
扉の内側についている鏡でメイクを確かめてからドアを閉めた。
よしっ! 今日は残業がないようにがんばろう!
この場で即座に断るのもと、困ってしまったが、ジッと見つめられて一度下唇を噛んで気持ちをしっかりさせてから口を開く。
「……せっかくのお誘いですが、好きな人がいるので」
ごめんなさいと、頭を下げる。ハーフアップの髪がふわりと頬にかかる。
「……はぁ。ついせっかちに誘ってしまった。朝から玉砕かぁ。仕方ない」
「すみません……」
頭に手をやり明るく笑う佐倉さんに、ホッと安堵する。
「じゃあ行こうか。遅くなるね」
「はい」
会社まではここから四分ほどのところだが、その時間はとても長く感じられ早く着かないかと、佐山さんの隣で考えていた。
社屋の通用口で佐倉さんと別れて、更衣室へ向かう。ドアを開けて中へ入り「はぁーっ」と息をつく。
「あ、おはようございます!」
着替えている同僚や先輩に挨拶をしてから自分のロッカー前へ向かう。
びっくりした。
軽くデートに誘ってくれただけなのに、私は真面目に答えすぎちゃったかな……。
ロッカーを開けてパーティーのために着ていたクリーム色のオーガンジー素材のAラインワンピースを脱ぎ、ブラウスとスカートを身につけてからベストを羽織る。
扉の内側についている鏡でメイクを確かめてからドアを閉めた。
よしっ! 今日は残業がないようにがんばろう!