平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
水でひと息つき、ペットボトルをガラス製のローテーブルの上に置いた。

「……はい。驚かれるのは重々承知で会いに来ました」

「ふ~ん……驚くほどの話か……」

そこまでは言えたものの、私は次の言葉が口に出せない。

もう一度ペットボトルをガバッと持って、勢いよく飲んだ瞬間、水が気管に入ってしまった。

「ゴホッ! ゴホッゴホッ!」

「大丈夫か?」

円城寺さんはポケットからハンカチを取り出して、絶賛咳き込み中の私に渡してくれる。

なかなか咳は止まらず、円城寺さんは腰を上げて隣にやって来た。それから背中を優しく擦ってくれる。

触れられたのが憧れの人だから、咳で苦しいのに、心臓が激しく暴れてくる。

やっと咳が止まったがこの失態、恥ずかしくて顔を上げられない。

「も、申し訳ありません……」

「いや、君の話は俺に爆弾を落としそうだな」

円城寺さんにとって、私のお願いは爆弾以外の何物でもないだろう。

「あ……の……」
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