平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
私の父は政治家で大臣にも何度かなっている。議員数の一番多い政党に所属している父はいずれ党首にと、期待されているよう。

そんな昭和の初めに生まれた父の口癖は『女は家庭に入って内助の功をしてこそ幸せだ』と、とんでもない男尊女卑を私に指南してくる。

短期大学を卒業して銀行に就職した頃から父は『見合いをしなさい』と事あるごとに言ってくる。

二十三歳の私はまだ結婚する気もないし、仕事も続けたいと思っている。のらりくらりと父の言葉をかわしながら今まで来たけれど、一昨日の夜、縁談相手の写真と身上書を渡されてしまったのだ。

それは今私の部屋の机の上に置いてあるが、目を通さないでいる。

お見合いする気もないのに見ても無駄だと思っているから。だけど、今回の父はいつもと違っていて、昨朝も今朝も朝食時、日程を決めようとしつこく言ってくるのだ。
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