あの物語の薔薇のように、花びらが落ちきる事を今日も私は願っている
その1ヶ月間で分かったのは、とりあえず柊は友達が多い。

本人のコミュ力もそうだが、柊を可愛がっている真妃(まき)先輩の影響だ。



真妃先輩もレストラン担当の方で、柊が終わるのを待っている時に声をかけられた。


とても明るくて気さくで、社員だけでなくバイトからも頼られ慕われている。


コミュ力おばけだ…

初対面の日はそう思った。


「ね!かすみんって、柊の事好きなん?」



語尾に音符が見えるくらい楽しそうに聞いてくる真妃先輩。



「え?そう見えます?」

「んーん!最近一緒に帰ってるからさ!」

「特にそういうわけじゃないですし、向こうも友達だと思ってると思いますよ?」

「ふーん…ま、あいついいやつだから!おすすめはするよ!」

「あははっ!それは分かりますけど、タイプじゃないので!笑」



その後すぐ柊が来たので、真妃先輩も一緒に帰った。



そしてその後半年間、柊とシフトが重ならず特に連絡を取ることもなく過ぎていった。

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