魔法少女妖怪退治

妖怪枕返し

「最近、怖い夢を見るの……」
「え、どんな夢！？」
「誰かに追いかけられて、高い所から落ちる夢！！」



友達のユリカが疲れた表情でそんな事を口にする。

最近のユリカはゲッソリした顔をしているから、心配していた。

その原因が夢だったなんて。



最近可愛い服に目覚めた、小学5年生。
神田あかり。


それが、私の自己紹介だ。



「そろそろ帰ろっか！」



飼育小屋の掃除が済んで、手渡しでウサギに餌を与えていた所だ。

外に出ると、通り雨が過ぎ去った後で地面が濡れている。



「うん！帰ろっか！」


雨で出来た水溜まりを避けながら、校舎に移動する。

ランドセルを背中にしょって、傘を手にすると家に帰る為に通学路を歩いた。



「にゃー……」
「あれ、今。猫の声聞こえた？」
「聞こえた！！」


私もユリカも猫が好きだから、猫の声を元にどこに居るのか探してしまう。


「いたー！」


猫が居たのは、木の下に置かれたダンボールの中。

まだ、子供なのか小さくか細い体は雨に濡れてびしょびしょに濡れている。



「にゃー……」


少しか細い声で、私に小さな体を擦り寄せて来た。