魔法少女妖怪退治
そういうみなみの顔は恐怖を感じているように見える。


それもそのはずだ。

得体の知れない何かに、夜中に髪を切られているみたいで気持ちが悪い。


この日は、クラスの女子達とみなみを慰めた。


昼休みにトイレを済ませ、手を洗う。


「あかりちゃん!!」


何処からとも無く、私を呼ぶ声が聞こえ振り向くとくろたんの姿があった。

みなみの髪の事がずっと引っかかっていた__


「くろたん……。髪を切る妖怪とかいる……?」
「ふーん!あかりちゃんも妖怪の気配に気付いてたんだ!あかりちゃんは、人間の癖に勘がするどいね!!」



人間の癖にって。


「て事は、みなみの髪の毛が無くなったのは妖怪の仕業?」
「まだ、詳しい事は分からないけど……。人間の髪を切って食べちゃう妖怪ならいるよ!!」


人間の髪の毛を食べるなんて、なんて気持ちが悪いのだろう。



「髪の毛を食べられた場合。その妖怪を倒したら元に戻るの?」
「倒せればね!!って、妖怪退治する気になった?」


妖怪退治。

ぶっちゃけ、妖怪と戦うのは怖い。

でも、長い髪を失って泣いているみなみの顔が忘れられなくて。


「うん!もし、そんな妖怪がいるのなら女の子の敵だから倒したい!!」
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