魔法少女妖怪退治
「くろたん!!」
「なに!!」
「髪切りのはさみ!どうにかならない!?」
「そうだねえ!!まずは、ハサミをどうにかしないとねえ……」


こっちは髪切りと死闘してるというのに、くろたんは呑気なものだ。


何回もステッキでハサミを受けた。


力任せに髪切りを突き飛ばすと、イメージの中の髪切りのハサミをテープでグルグル巻きにする。


いつの間にか髪切りのハサミは頑固にテープで巻かれていた。


ふふ……。

あんたなんて、ハサミが無ければ怖くない。

ただの小さな鳥人間。


ハサミを封印された髪切りが震えながら、こちらを見ていた。


本当に凶暴な奴だけど。


ガタガタ震えながらこっちを見ている髪切りは可愛いそうだ。


どうか、良い子になって__


ステッキを両手で握り締めると、髪切りが良い子になるように祈る。


髪切りがキラキラした光に包まれたかと思うと、邪気が完全に消えた。



「あかりちゃん!本当に凄いよ!髪切りが良い妖怪になった!!」



確かにさっきまで怖いイメージしか無かった髪切りが、可愛く見える。



「どんな妖怪になったの?」
「恵まれない人の髪の毛を切って幸せな気分にしてくれる妖怪だよ!!」
< 22 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop