魔法少女妖怪退治
三日月が柔らかい光を放つ中、屋根から屋根に移動する。


ちょうど遠目で歴史を感じる、大きな和風の家が見えて来た。

ここに悪い妖怪が居るという証拠の、紫のモヤが見える。


しかし、おかしい。

今まで紫のモヤの大きさは一部屋を包み込むくらいだった。

しかし、今回の紫のモヤは家全体を覆い尽くしていて、色が濃ゆい。


凄まじく嫌な予感を覚えた。


何時もなら、紫のモヤが部屋を覆い尽くしているから、友達のいる場所が直ぐに分かった。

しかし、今回はそれが分からない。



「仕方ないなぁ……。しらみ潰しに調べるか!!」



玄関の扉の前に立つと、通り抜けるイメージをして家の中に入る。

靴が綺麗に並べられた広々とした、玄関が目に入った。


片っ端から、隙間を通り抜けて行くが肝心のあやかの部屋が見付からない。

こんな時にくろたんが居たら、的確なアドバイスをくれるのに__


そう考えたら、いかに自分がくろたんを頼っているかが分かる。


ちょっと。

ううん。物凄く怖い。

それでも、くろたんに自分の事を魔法少女として認めて欲しくて1歩1歩足を踏み出した。


2階に上がる為の急な階段を見付けて、登る。
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