魔法少女妖怪退治
しかし、避け切らずにコメカミを掠めた矢。


倒しきる事が出来ずに唖然としていると、何処かに消えてしまった疫病神。


「あかりちゃん!!良かった!!
疫病神の奴逃げたと思うよ!!」
「ほ、本当に……?」


あれだけの攻撃で、逃げるだなんて有り得ない気がして不安になってしまう。


「うん……。多分……。どんどん気配が遠ざかって居るのは確かだね……」
「もう、来なければ良いけど……」


そう呟いた瞬間、パタリと倒れ込んだ座敷童子。


「大丈夫!?」


そう問い掛けると、小さくコクコクと頷いて瞼を閉じた。

一瞬不安になったが、微かな寝息を立てているから安心だ。


しかし、疫病神が居なくなったからといって安心できない状態にある。


「あかりちゃんどうしよう……」


そう言って、座敷童子の周りをウロウロしているくろたん。


それもそのはずだ__

疫病神が居なくなった今も、座敷童子の周り以外は濃い紫色のモヤに包まれていて、安全帯にまで迫って来ている。


私の体はもう紫のモヤに侵されているから、良い。

でも、このままじゃ皆まで不幸になってしまう。


最悪の場合は【死】


そんな危険に皆を巻き込む訳には行かない。
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