魔法少女妖怪退治
「ふうあちゃんに会えるのなら、毛繕いをしなくちゃね！！」


ルンルンな足取りで、窓辺に向かうと毛繕いを始めるくろたん。

正直、お気楽だなと思う＿＿


風呂に入り、ご飯を食べて、部屋に帰ると満足気な表情でこちらを見ているくろたん。


「どう？この毛並み＿＿！！」
「どうって……」


気合いを入れすぎたのだろう。

くろたんの毛並みはお手入れしすぎて、テカテカに光っている。

というか、ヨダレでベトベトだ。


しかし、満足気なくろたんを見ていると毛並みがベトベトになっている事を指摘しにくい。

まあ、時間がたったら乾燥するだろう。


「……。1時間後にふうあちゃんが泊まってるホテルに行くよ！」
「いいねえ！！」


そう言って、鼻歌を歌い出すくろたん。

かなりご機嫌なのか、浮かれているのか、スルーされた事を何とも思っていない様子だ。


待っている時間で宿題を済ませると、あっという間に時間は過ぎた。


うん。

くろたんの毛並みはスッカリ元に戻っている。


「そろそろ、行こうか＿＿」
「うん！！」


指輪を握り締め魔法少女に変身すると、念の為に妖怪の気配が無いか確認する。

魔法少女としてのパトロールみたいな感覚だ。
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