魔法少女妖怪退治
これは、夢なのだろう。

想像した通りに、街中を移動する事が出来る。


木から木に。
屋根から屋根にと自由自在だ。

なんて、楽しい夢なんだろう。


そんな事を思っていると、ユリカの家が見えてきた。


赤い屋根の大きなお家。

ユリカの部屋に繋がる、ベランダに飛び移ると少し空いたカーテンの隙間から部屋の中を覗く。



おかしい__

モヤモヤした紫の煙みたいなモノのせいで、中が見え辛い。


中に入りたいが、鍵が掛かっていて扉はピクリとも動かない。

でも、ここは夢の世界。

今なら、何だって出来る気がする。


瞼を閉じて、ガラスを通り抜けるイメージを頭の中に浮かべる。


右手をガラスの方向に向けると、グニャリとした感触に包まれた。



「あかりちゃん。流石だよ!!筋が良い!!」



目を開けるとガラスを通り抜けている右手。

体ごとガラスをすり抜けるイメージで部屋の中に入る。



何回かお邪魔した事のある、ユリカの部屋。

しかし、遊びに行った時とは雰囲気が別物だ。


なんて言うか、寒気を感じるような不気味な感覚が気持ち悪い。


ユリカの寝ているベッドに近付くと、枕元に何かが有る。
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