魔法少女妖怪退治
赤い顔をしたおじいさんが、ユリカのまくらをひっくり返してニタニタしている。


その度にうなされて息苦しそうにしている、ユリカ。



どうしよう。

きっと、赤い顔のおじいさんがユリカがやつれている原因だ。

でも、不気味過ぎて近付けない。


「このままじゃ、ユリカちゃんが危ない!」


くろたんにそう言われ、我に帰る。

ええい。こうなったら、ヤケだ。


「ちょっとー!ユリカから離れなさいよ!!」


そう怒鳴った瞬間、こちらを見た枕返しと目が合わさった。



大丈夫。

これは、夢の世界。

だから、私の考えた通りに物語が進むはずなんだ__



なのに。


枕返しが投げた枕が顔面に直撃して、後ろに倒れ込む。



✤✤✤
「うっ……」


目を開けたら、ベッドの上に居る。

開きっぱなしのカーテンが掛かった窓から見えるのは、真っ暗な空。


一応、着ている服を確認してみるが、夢で見たような可愛らしいものでは無い。



「あーあ。負けちゃったね!まさか、枕を投げられてこちらの世界に戻るとは思わなかったよ……」



くろたんはそう言ったあとに、「カスが……」と呟いた。
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