魔法少女妖怪退治
「あれっ。これは、夢で見た指輪……」


外そうとしても、外れない。


仕方なくお風呂を上がると、パジャマに着替えて部屋に戻る。


「まったく、長い風呂だなぁ……」


当たり前のように喋るくろたんを見て、これは夢の中だと言い聞かせた。


「さっさと変身してよ!じゃないと、お友達が危ないよ!」


変身て事は、さっきの夢の続きだろうか。

夢の中だろうが、ユリカを見殺しにする事など出来る訳が無い。


指輪を握り締めると、なりたい自分を想像した。

相変わらず可愛い、白とピンクのフリフリの服に切り替わる。



「あかりちゃん!武器もイメージして!!」


武器。
武器と言われてもー!!


早く!!と、急かされ、目を閉じると枕返しと戦う為の武器を想像した。


ゴツイ武器を想像したのに、私の手の中に有るのは白とピンクのコンパクトなステッキ。


あ、これ。

また、くろたんに意地悪言われるパターンじゃない?

そう思って、落ち込んでしまう。


「あかりちゃん。パーフェクトだよ!そのステッキは形を変える事も出来るからやってみて!!」
「分かった!!」



そう返事を返した瞬間、くろたんの体がビクリと震え、唸り出す。
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