【短】好き好きびーむ☆
ことん
シャーペンを机に置いて、うーんと伸びをするとそれを待っていたかのように、麻子がパァッと笑みを零した。
「かーずっ!」
「はいはい…んじゃあ、帰り、たい焼きでも食べるかぁ」
「えー!やきいもー!」
「お前ねぇ…それは何気に色気ないだろ」
「…だめ?」
その上目遣いに弱いのを知ってるくせに、麻子はにっこり微笑んで、俺の腕に腕をより絡ませてから、鼻歌なんかを歌い出す。
「それ、誰の歌だっけ?」
「ん?……自作」
「へぇー…」
ぺちん
「いて」
「人に聞いといてどーでもいいって反応はなし!」
「はいはい」
ぷくっと頬を膨らませて。
そっぽを向く麻子。
でも、俺からは絶対に離れはしない…。
可愛い仔猫。