【短】好き好きびーむ☆


がらがらー


「んじゃー…先生宜しく」

「おう。気を付けてな」


そんな会話をさっとして、職員室から出てくると、麻子が他の男と話してた。


「金井ちゃん、今度遊ぼうよ」

「やだ。だって私には一成がいるもん」

「いいじゃーん。一回だけ、ね?」

「だからぁ…嫌だってば」


こんな風に、一途なところを俺の前でも堂々と見せればいいのに…。

そんな考えを持ちつつ、すたすたと歩いてそいつの肩に手を掛けた。


「俺の彼女と何話してんの?内容によっちゃ怒るよ?」

「も、森永…あ、いや…その、これは」


メガネの奥の、鋭い眼光を目にしたのか、相手はしどろもどろになる。


「かずなりー!助けに来てくれたの?!嬉しっ」


ぎゅー


目の前の男なんか、まるで眼中無しと言ったように、とん、と俺に抱きついてくる麻子は、ある意味天真爛漫。

いや…ある意味、小悪魔。


完全にフリーズしてしまった、そいつを少し気の毒に思いながらも、


「まぁ、そういうことで」


と、帰り道を急いだ。




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