【短】好き好きびーむ☆
「ほんと、他の男に声掛けられんの、むかつく」
俺がボソッと呟くと、ご機嫌な麻子はまた自作だと言う鼻歌を歌う。
「でもー…一成が助けてくれるし。私には一成がいてくれればいいんだもーん」
にゃは
微笑む表情に、どきりと胸が高鳴る。
けれど、心を鬼にして俺は麻子に言う。
こいつは、ほんとに…もう。
「とか言って、俺がいなきゃ遊びに行ってもいいかなー?くらいに、思ってたろ」
「えー…?それはぁ…な、い、しょ」
くるりん
そう言ってウィンクをしながらスカートをひるがえす麻子に、溜息しか出なかった。
「まーこ?素直じゃないやつは俺、嫌いなんだけど?」
「えぇー?そんなこと言わないでよー?……一成?」
「…何?」
「すーき!」
また腕に抱きついて来て、すり寄ると麻子は上目遣いで俺にささやく。
ほんと、小悪魔にゃんこ。
俺が麻子のことを溺愛してることを、本人も自覚しているから、この辺の攻防戦は、いつも俺の負け。
それでも…好きって、可愛い彼女のから言われたら、さっきのむかつきもどこへやら…で。
「たいやき、食べに行くぞ」
「だーかーら!やきいもー!」
と、じゃれ合いながら店へと歩を進めた。