【短】好き好きびーむ☆
「ねーぇ?一成はさ、私のどこが好き?」
「瞳」
「え!それだけ?!」
「うーそ。笑顔もサラサラの髪も…何気に、全部好きだよ…ってはずいな。いちいち言わせんなよ」
結局、美味しいと評判のやきいも屋で、一本ずつやきいもを買うと、それを食べながら帰ることに。
なんだかんだ言って、麻子には甘い俺。
そんな俺に向かって、隣でさっきからはふはふとしながらやきいもを口にしていた麻子が、唐突に聞いてきたのが、さっきの質問。
「えへへー。もー。はずかしいじゃん。一成ってば!」
「なんだよ。麻子が聞いてきたんだろ?」
「でもぉー…」
「あ…」
「…ん?」
「やきいも、口についてる」
「え!ど、どこ?!」
「こーこ」
と、小さな欠片を指で取ってやると、途端に眉間にシワを寄せ不機嫌になる麻子。
ぷいっと俺に背を向けて、何やらブツブツ文句を言っている。
「まーこ?どうした?」
「もー!一成!ここは、ちゅー…のタイミングでしょー?!」
「…は?」
拗ねているのに、真っ赤な麻子。
俺はいきなりの通達に、一瞬だけ固まった。