貧乏国の悪役令嬢、金儲けに必死になってたら婚約破棄されました【短編】
誰かを虐める趣味もないし。そんな一銭にもならない無駄なこと、なんでしなくちゃいけないの?
首をかしげると、ファルコ様が見下したような目を私に向けた。
「確かに、俺はお前と婚約はしている。だが、お前の所有物ではない」
はぁ。そうですね。
「俺には側室を持つ権利がある。だから、誰と親しくしようとも自由なはずだ」
知っております。
ですから、特待生のミリーさんと仲良くしていても何も言いませんでしたし……。
いえ、むしろ気にしてもいませんでした。
ただ、本の少し……。
自由に恋ができるファルコ様がうらやましかっただけで。
「よほど、お前は俺がミリーと親しくなるのが気に入らないようだな」
はい?
今、うらやましいっていう顔しちゃいました?
ちょっと不満げな顔を見せちゃいました?
でも、それば別に……。
「いいえ、ミリーさんと殿下の仲が気に入らないということでは……」
「はっ、何をいまさら。俺は何も知らないと思っているのか!」
ギクリ。
まさか、知られてしまったの?
胸の奥に、ずっと固い蓋をして、誰にも知られないように……。いいえ、サラは気が付いているみたいだけれど、時々私に何か言いたそうにしているけれど……。
サラ以外には誰もこの気持ちは知られていないと、そう思っていたんだけど。
私が……。
殿下ではない別の人のことを時々思っている……ことは。
「好きになってしまったものは仕方がない」
ギクリ。
「俺のことが、他の女性と仲良くするのに嫉妬するほど好きになってしまったのは仕方がない」
は、い?
◆
あ、ああ、そういう話でしたか。
殿下の言葉をまとめると、私が政略結婚である殿下のことを本気で好きになった。
だけれど殿下はミリーさんのことが好き。
そこで私が嫉妬に駆られてミリーさんに意地悪をした……と。
「殿下、私は殿下に恋などしておりませんし、もし万が一恋していたとしても、ミリーさんは側室にするばいいだけの話で、意地悪するわけがありませんわ
殿下が顔をゆがませる。
「は?俺に、恋をしてない?」
会場がざわりと揺れる。
あ、そうそう、ここ、卒業記念パーティーの会場で、パーティーの真っ最中ですからね。
たくさんの生徒がいます。
首をかしげると、ファルコ様が見下したような目を私に向けた。
「確かに、俺はお前と婚約はしている。だが、お前の所有物ではない」
はぁ。そうですね。
「俺には側室を持つ権利がある。だから、誰と親しくしようとも自由なはずだ」
知っております。
ですから、特待生のミリーさんと仲良くしていても何も言いませんでしたし……。
いえ、むしろ気にしてもいませんでした。
ただ、本の少し……。
自由に恋ができるファルコ様がうらやましかっただけで。
「よほど、お前は俺がミリーと親しくなるのが気に入らないようだな」
はい?
今、うらやましいっていう顔しちゃいました?
ちょっと不満げな顔を見せちゃいました?
でも、それば別に……。
「いいえ、ミリーさんと殿下の仲が気に入らないということでは……」
「はっ、何をいまさら。俺は何も知らないと思っているのか!」
ギクリ。
まさか、知られてしまったの?
胸の奥に、ずっと固い蓋をして、誰にも知られないように……。いいえ、サラは気が付いているみたいだけれど、時々私に何か言いたそうにしているけれど……。
サラ以外には誰もこの気持ちは知られていないと、そう思っていたんだけど。
私が……。
殿下ではない別の人のことを時々思っている……ことは。
「好きになってしまったものは仕方がない」
ギクリ。
「俺のことが、他の女性と仲良くするのに嫉妬するほど好きになってしまったのは仕方がない」
は、い?
◆
あ、ああ、そういう話でしたか。
殿下の言葉をまとめると、私が政略結婚である殿下のことを本気で好きになった。
だけれど殿下はミリーさんのことが好き。
そこで私が嫉妬に駆られてミリーさんに意地悪をした……と。
「殿下、私は殿下に恋などしておりませんし、もし万が一恋していたとしても、ミリーさんは側室にするばいいだけの話で、意地悪するわけがありませんわ
殿下が顔をゆがませる。
「は?俺に、恋をしてない?」
会場がざわりと揺れる。
あ、そうそう、ここ、卒業記念パーティーの会場で、パーティーの真っ最中ですからね。
たくさんの生徒がいます。