好きは閉じ込めて
「迅くん、雪合戦しよ!」
「絶対やだ」
「え〜なんで〜」
「寒いから早く帰ってこたつに入りたい」
「あーさむ」と相当寒がりらしい彼はアウターのポケットに両手を突っ込んで相変わらずマフラーに顔を埋めている。
迅くんはそこからくりくりの大きくて綺麗な瞳を覗かせてわたしのほうをじっとみてくるからどきっとする。
吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳から慌てて視線を逸らしたわたしはしゃがみこんでふわふわの雪を素手でとって塊を作る。
やっぱり冷たいななんて思いながらぎゅっぎゅ
と力を込めていると、
「ねぇ、せんぱい。何してんの」
と上からほどよく低くて心地よい迅くんの声がきこえる。
わたしが何をしようとしているのかお見通しらしい彼はやめてよ?なんて言いながらわたしを見下ろしてくるから単純なわたしはまたどきっとする。
迅くんは、ずるい。
身体は高いしスタイルもいいし顔もかっこいい。
もっとぶさいくだったらいいのに、なんて何百回思ったことか。もしかしたら千回以上思ってるのかも。
違う大学に通っているのに彼が嫌ってほどモテていることを知っているのはたった今まで一緒に働いていたバイト先で女の子に毎回騒がれているのを知っているからだ。
見たくなくても見えてしまう光景は毎度のことながら慣れない。
たぶんわたしが彼のことをなんとも思わなくなるまできっと慣れることなんてないんだろうな。
「絶対やだ」
「え〜なんで〜」
「寒いから早く帰ってこたつに入りたい」
「あーさむ」と相当寒がりらしい彼はアウターのポケットに両手を突っ込んで相変わらずマフラーに顔を埋めている。
迅くんはそこからくりくりの大きくて綺麗な瞳を覗かせてわたしのほうをじっとみてくるからどきっとする。
吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳から慌てて視線を逸らしたわたしはしゃがみこんでふわふわの雪を素手でとって塊を作る。
やっぱり冷たいななんて思いながらぎゅっぎゅ
と力を込めていると、
「ねぇ、せんぱい。何してんの」
と上からほどよく低くて心地よい迅くんの声がきこえる。
わたしが何をしようとしているのかお見通しらしい彼はやめてよ?なんて言いながらわたしを見下ろしてくるから単純なわたしはまたどきっとする。
迅くんは、ずるい。
身体は高いしスタイルもいいし顔もかっこいい。
もっとぶさいくだったらいいのに、なんて何百回思ったことか。もしかしたら千回以上思ってるのかも。
違う大学に通っているのに彼が嫌ってほどモテていることを知っているのはたった今まで一緒に働いていたバイト先で女の子に毎回騒がれているのを知っているからだ。
見たくなくても見えてしまう光景は毎度のことながら慣れない。
たぶんわたしが彼のことをなんとも思わなくなるまできっと慣れることなんてないんだろうな。