StrawberryとSugar
Story
1.
「おはよう!お母さん
......いい匂いがすると思ったら!今日の朝ごはんはあの有名な食パン専門店のパンね!嬉しいわ。」
「あらあらおはよう苺花、そんなに喜んでもらえると朝早くから頑張って用意した甲斐があるわ。」
リビングに入りづらい。
双子の姉である苺花はいつもそうだ。
いつもとびっきりの笑顔、そして人を喜ばせるような言動、栗色の長くて綺麗な髪と大きくぱっちりした二重に長いまつ毛といった美貌を持ち、学校ではムードメーカー的な存在でもありながらある程度の品も忘れない。
_____家族内でもそうだ。愛嬌があって元気で、お母さんやお父さん......人のことを褒めるのを忘れない彼女はとても好かれる。傍から見たらとても微笑ましく、理想の家族像だろう。
そんな理想の家族のところにこんな私が...
とてもリビングに入りづらい。
「.....おはよう」
「おはよう苺愛、朝ごはんは?」
「...いらないや、行ってきます!」
「そう...気をつけて行ってらっしゃいね」
「せっかくお母さんが作ってくれたんだから食べればいいのに。あ、いただきまーす!」
「ねぇ苺花、来週の日曜日に駅前に苺スイーツがメインのカフェがオープンするらしいのよ.........」
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私達双子は一卵性で栗色の長い髪と大きくぱっちりした二重に長いまつ毛といった容姿はとてもそっくりだ。
_____________しかし、人前でいい顔をする双子の姉の苺花。
そしてそれを可愛がる家族......いや、家族だけではない。学校の子達もそうだ。
私だって愛想がないわけではないが人に慣れるまで少し時間がかかるだけだし、特定の人としかあまり話さない。誰にでも愛想がいい苺花は誰からも好かれるのだ。
両親は内向的な私のことを分かっているからか娘として可愛がってくれるし、とてもいい両親だと思っているが、やはり姉の苺花のほうが可愛いのだと思う。
でも私は苺花が嫌いな訳では無い、
そう。
全て私自身が悪いのだ。
_____________ただ、外向的で明るく、人に好かれる彼女を羨ましく思う。