カウントダウン
私が料理を作り始めて二十分後、アパートの呼び出しベルが鳴って、私は玄関の方へと目を向けた。


雄太が家からここに来るには早すぎる。


私の予想では三十分はかかると思っていた。


私は少し不思議に思いながらも、私に誘われた雄太が急いでここまで来たのだろうと考えた。


そして私は呼び出しのベルの音に誘われるように、鍋にかけた火を消さぬままに玄関の方へと歩いていった。


急いでここまで来てくれた雄太に早く会って、話がしたくて……。


雄太が近くにいてくれたなら、怖いものは何もないと思いながら……。
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