カウントダウン
玄関に向かうまで、思わず足早になっていた。


そして私は玄関の前に立ち、満面の笑みで玄関のドアをゆっくり開けた。


ドアの向こう側にいる雄太に早く話しかけようと、少し前のめりになりながら開いたドアの向こう側に目を向けると、私は予想外のことに呼吸が止まった。


私は全身を貫くような恐怖の中で、一番会いたくない人に目を向けながらその人の名前をつぶやいていた。


「忍……。

どうして……」


せめて今日だけでも、忍に会いたくないと思っていた。


忍が私に死への予告をされていたのが今日だから。


私は本当に今日中に死ぬのだろうか？


忍の呪いのせいで死んだかもしれない貴史や美保子のように……。


忍が玄関の前に立っている今、私にはもう逃げ場がなかった。


アパートの三階にあるこの部屋のベランダから飛び下りるなんて、私にはとてもできない。


私は決して勝てない捕食者に出会った小動物のように、怯えながら身を固め、ゆっくりと後ずさりを始めていた。
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