カウントダウン
「お前の罪、三つ目……」


玄関に忍の低く不気味な声が響くと、忍はゆっくりと私の方へと歩き始めた。


私はそれを見て、心臓が凍りつくような恐怖を覚えた。


忍が近づいて来ることは、私の死刑が近づいてくることを意味している。


私はこのままときが止まり、呪いが発動する前に雄太が来ることを本気で祈った。


私は全身を包み込んでいる恐怖の中で、生きた心地もしないままに、忍の目を見つめていた。


「自分がクラスで一番かわいいと信じきり、いつも幸せそうな笑顔を浮かべていたこと。

私はそんなお前を許さない。

お前はもう二度と笑えない」


忍のあからさまな殺意がハッキリと私に届いていた。


忍は私を殺す気なのだ。


きっと私が何を言っても忍の気持ちは変わらない。


それほどに私は忍から憎まれていたんだ……。
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