カウントダウン
クラスで相次ぐ死者が出たせいで、私たちのクラスは今、学級閉鎖になっている。


だから早起きする必要なんて少しもないし、昨日ならまだ寝ている時間だった。


でも、今は忍の夢のせいで、まだ心臓がドキドキしていて、眠れるとは思えない。


私は不安な気持ちを拭えぬままに、目が覚めたときのいつもの習慣でスマホに手を伸ばしていた。


そしてスマホの画面を見た私は、ラインのメッセージが一軒来ていたことに気づき、誰がそのラインを送ってきたのかを確認すると、ゾッとして一瞬で血の気が引いていた。


ラインの送り主は忍だった。


でも忍は、もうこの世にはいないのだ。


私は恐ろしくて、そのままスマホを投げ捨てようかと考えた。


もしかしたら忍の呪いが、私にまで及んできたのかもしれないから。


「うちのクラスで死んだ人たちって、みんな忍の呪いらしいよ」


不安そうな顔でそう言った恭子の言葉が、恐怖の中で蘇った。


本当なら、今すぐにでも逃げ出したい。


忍なんかに関わりたくはないから。


でも私はそんな気持ちとは裏腹に、震える手でスマホを握りしめ、忍からのメッセージを開いていた。
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