カウントダウン
オレは眠ることができなかったベッドの中で、今日という日をいろんなパターンで想像していた。


最悪のパターンは、オレがオレのクラスの生徒たちみたいに、忍の呪いで呆気なく死んでしまうこと。


最高のパターンは、忍の呪いなんて本当はなくて、何事もなく今日という日が終わり、オレが今までと変わらずに生きれること。


オレの心は不安と希望の間を揺れ動き、休まることは少しもなかった。


できれば楽観的な未来を想像したいオレは、何度も心の中で忍の呪いを否定したが、柳田貴史、清水美保子、柏木愛美の死が忍の呪いの存在を声高に主張していた。


このままでは自分もその三人の生徒たちと同じ道を辿ってしまう予感。


時計の針が時を刻む度に、忍が口にしたカウントダウンが近づいていることを意識してしまう。


忍の呪いが発動する前に、オレは忍の呪いを解かなくてはならない。


それがオレの生き残る唯一の道。


オレはまだ死にたくない。


忍なんかの呪いのせいで。
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