カウントダウン
「もしもし。

起きてた?」


「うん、起きてたよ。

こんな時間に電話してくるなんて珍しいな」


「最近、大翔が元気ないから電話してあげようかなぁって」


「何だよ、それ。

たしかに元気はないけどさ」


オレは玲子にそう言いながら、少しだけ微笑んでいた。


玲子はオレの3つ年下で、看護師をしていた。


付き合い始めて二年が経ち、今では結婚も意識していた。


学校での問題や忍の呪いのことが解決したら、オレは今まで通りに満たされた生活ができるはずだ。


だからこそオレは、どうにかして忍の呪いを解かなくてはならなかった。


自分のためだけではなく、玲子のためにも。


オレはそんなことを考え、忍の遺書を探す決意を固めていた。
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