カウントダウン
『復讐日記』第十二章
【6月7日】

私は味方が一人もいない教室でいつも息苦しさを感じている。


私が自己主張して声を上げてはいけない雰囲気に、私はいつも押しつぶされそうなのだ。


陰キャ眼鏡の杉田忍は、良いところが何もなくて、友達が一人もいなくて、いつも不幸そうにしているクラスの嫌われ者。


私はそんなイメージの型の中に押し込められ、そのイメージの外に出ることを許されない。


そんな空気感のせいで、人は変わりたくても変われないのだ。


周りが作ったその人のイメージを裏切ることができないのだ。


だから宮国中学の三年二組の教室を出ない限り、私は陰キャ眼鏡の杉田忍のままでいるしかない。


私がどんなに変わりたいと願っても。
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