カウントダウン
(忍の声が聞こえた……。

もしかして私の後ろに忍がいるの?

呪いで私を殺そうとしているの?)


私は忍の声に背筋が凍りつくような恐怖を感じていた。


もしも今、忍と目を合わせたなら、無事ではいられない予感。


どうすれば助かるの?


逃げる?


それとも……。


絶対にあってはならないシチュエーションの中で、息が詰まり、心臓が狂ったようにドキドキと音を立てていた。


選択肢を間違えば、もう生きてはいられない予感の中で、私はただ怯えながら、動くことすらできずにいた。


今流れている数秒の時間が、まるで永遠のように感じる。


どうすればいいだろうと、そればかりが私の頭の中を行き来している。


そして私が、後ろを振り返らずに逃げるという決断をやっと下したとき、ひんやりと冷たい手が私の肩をポンと叩いた。


「無視するな、立花優子。

本当は私に気づいているくせに」


私はその言葉に心臓が止まりそうなほどドキリとして、反射的に後ろを振り向いていた。
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