カウントダウン
「フフフッ、フフフッ。

ハハハハハハッ」


周りには誰もいない夜空の下で、忍はうれしそうに笑っていた。


教室の中では一度も笑ったことのない忍なのに……。


いつもうつ向いてばかりいた忍なのに……。


忍はそんなにも私の不幸がうれしいのだろうか?


私は迫りくる死への恐怖を感じながら、忍の力に必死に対抗し、ここから逃げようと思っていた。


でも、忍の力はとても強くて、私が必死に抵抗しても、ゆっくりと一定のリズムで、私をお堀へと引っ張っていた。


そして私の右足がお堀の水際まで来たとき、私は絶望と恐怖の中で、必死に声を上げていた。


「誰か、助けて!

私、殺される!」


私のその声に合わせるように忍が私の体を引っ張ったとき、私はもう立っていることもできずに後ろに倒れ、お堀の中へと落ちていった。
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