カウントダウン
「オレも梨花の言う通りだと思う。

呪いの連鎖を解くには忍の遺書を探すしかない。

忍の遺書に呪いを解くカギがあるっていう忍のメッセージは本当だと思うから」


「雄一君……。

こんなことになるなんて思っていなかったね。

私ね、クラスでいじめられていた忍がこんなにも私たちを憎んでいるなんて、想像もしていなかった。

私はクラスにあったいじめをできるだけ意識の外に追いやろうとしていたんだと思う。

だから私は忍に浴びせられていた残酷な言葉に鈍感でいられたんだよ。

忍が死にたいと思うくらいに悩んでいたことに、全然、気づけずにいたんだよ」


もしも私が忍の立場にいたらと思う。


そしたら私は居場所のない教室で、自分に浴びせられる残酷な言葉にどう向き合っていただろう。


味方もいない、逃げ場もない、そんな教室はきっと地獄だ。


忍はきっと心の中で、「助けて!」と、何度も叫んでいたに違いない。


でも私はそのことに気づけなかった。


もしもそのことに気づけていたら、忍はまだ生きていたかもしれないのに……。
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