カウントダウン
「私は幸せなお前が大嫌い。

お前なんて死ねばいいって、ずっとずっと思っていた」


私はその言葉を聞いた瞬間、ドキリとして息をのんだ。


背後から聞こえてきたのは忍の声だ。


でも、私はその声に振り返ってはいけない気がしていた。


私が忍の存在に気づいたとき、私は忍に殺されるかもしれないから。


私はその場から一歩も動けないまま、背後にいるかもしれない忍に意識を集中させていた。


「私はお前に呪いをかける。

芦田梨花、お前は三日以内に必ず死ぬ。

カウントダウンは止まらない」


(ウソでしょ……。

私……、呪いをかけられた……)


私は忍の言葉がウソであって欲しいと思った。


ついに呪いの連鎖が私にまで回ってきたのだろうか?


だとしたら、私は死ぬの?


嫌だ……、死にたくない。


私は呪いなんかで死にたくない……。


私は心から強くそう思い、恐怖に怯えながらもゆっくりと後ろを振り向いた。


するとそこには血まみれのセーラー服を着た忍が私をにらんで立っていた。
< 192 / 294 >

この作品をシェア

pagetop