カウントダウン
「陰キャ眼鏡は下ばかり向いて何も言い返さないからつまんねぇの。

お前は不細工な置物か?」


(私が何も言い返さないことを最初から知っているくせに!

私になら何を言っても大丈夫だと思っているくせに!)


「だけどさ、陰キャ眼鏡のいいところは、世の中の不幸を一人で背負ってくれてるとこだよな。

そういうのは偉いと思うぜ」


(こいつが誰よりも不幸になればいいのに!

人をこんなにも嫌な気持ちにさせるこんなクズが、世の中の不幸を背負えばいいのに!)


「おい、聞いてんのか、陰キャ眼鏡。

お前、オレのことを無視してんだろ?」


貴史は私が嫌になること的確に言ってくる。


でも、何のためにそんなことを言うのだろう?


どうして私をいじめるのだろう?


私は泣きたくなる気持ちの中で、教室の窓際の席に座る東野雄一に目を向けた。


私が気になるあの人は、こんな私を見てどう思っているのだろう?


そんなことを考えながら。
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