カウントダウン
「探し物?

こんなところに何があるって言うんだ?」


「それは……」


雄一はそうつぶやくと、苦しそうな顔をしてそこで言葉を区切ったが、忍の父に真っ直ぐに目を向けこう言った。


「オレたちが探しているのは忍の遺書です。

絶対にここにあるはずなんです」


雄一がそう言うと、忍の父の顔つきが少し険しくなっていた。


「忍の遺書?

そんなものあるわけないだろ。

忍は交通事故で死んだんだ。

本当にバカな娘だよ」


「そんなはずはないんです!」


雄一はそう言って、忍の父に食い下がった。


「忍がオレたちにラインのメッセージを送ってきたから。

『遺書を探せ』って」


「死んだ忍がメッセージを送ってきたのか?

それゃすごいな。

まるでホラー映画だ」


「本当なんです。

忍はオレたちに……」


雄一がそう言って忍の父に真実を伝えようとしたとき、忍の父は雄一に怒鳴り声を上げていた。
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